左官工事、漆喰。珪藻土。

外壁は今ではサイディングが主流になっていますが昔は左官屋さんが鏝(こて)で塗っていました。今では土壁の家の工事中の現場を見ることはなかなかないですが、地方に行くと未だに壁を竹で編みその上に土と藁を混ぜて練り上げ粘りが出た土で壁を鏝で塗って下地を作っていました。その上にプラスターなどを塗り仕上げにお部屋は綿壁,聚楽壁などを塗り、外部はモルタル、漆喰、リシンかき落としなどで仕上げました。長持ちさせるために焼き杉なども張っていました。土壁が断熱材の代わりです。昔の人が考えた工法です。夏は涼しく冬は暖かく自然素材です。新建材でないため朽ちても自然に帰りますね。

昔の家は大工さんと左官さんで仕上がっていました。内装も聚楽壁や綿壁今の人はあまり見たことないかも知れませんね。良く言われる湿式工法です。水で練るため乾燥時にクラックが起こりやすいのが難点でした。その為建築屋は乾式工法を取り入れて今の家の様になりました。外はサイディング、室内は石膏ボード張りのうえにクロス張りの壁です。工期が早くクレームの少ない住宅がたくさん出来ました。

しかし鏝で仕上げた壁は美しいです。鏝むらも表情があってGoodです。

室内ならリフォームで自然素材でぬりあげてみてはいかがですか?

珪藻土の壁を塗ると調湿効果があります。珪藻土の壁に霧吹きをかけると染み込んで消えて行きます。昔海の底で微生物などが沈殿した土です。珪藻土は土なので壁に接着性能がありませんので、各メーカーさんが接着性能を持たせるためにボンドを混ぜています。表面がザラザラしているため湿度を吸い上げます。顕微鏡で見ると小さな穴がたくさん空いています。仕上がりには和室によく使われます。

漆喰の壁はお城の壁に使われている様に石灰にすさ、糊などを混ぜて練り込み鏝で塗り固めます。何度も押さえて仕上げます。ホコリやゴミなどが付きにくく、温度・湿度を一定に保つ効果があり、耐久性が高い、ホルムアルデヒド(シックハウス症候群の原因物質)を分解するなどと言われています。シミになると汚れが落ちにくいために再度塗るか剥がすという手間が発生します。日本の家にはよく使われていた素材ですが、今ではほとんど見られなくなりました。鏝で何度も押さえて艶を出す物など調合などで各地方で仕上がりが違います。

 

 

 

聚楽壁とは京都やその周辺で取れた貴重な土を使用して仕上げた土壁です。その土は京都付近のキメの細かい上質の砂であり、この上質な土で仕上げを行っています。

聚楽壁は、湿度を整えてくれたり、防火性や吸音性、断熱性など様々な特徴と利点があります。また、空気中の有害な化学物質なども吸収してくれるので、様々な所で使われています。

メリットもあればデメリットも、たとえば摩擦でぼろぼろと落ちる。ひび割れが起こるなど。でも自然素材の仕上がりはよいですよ。この頃ではDIYで塗れる素材もありますのでいかがですか。